クリーンセンター多摩川は、構成4市(稲城市・狛江市・府中市・国立市)で収集されたごみを安全かつ効率よく処理するため、施設の安全な運営に努めています。公害防止のために、高度な技術を導入してごみを完全焼却するとともに、余熱を最大限有効利用するために、発電設備を設置して所内の電力に使用し、余剰電力については売電をしています。また、熱エネルギーも所内の冷暖房に利用するほか、稲城市立病院及び健康プラザにも供給しています。

クリーンセンター多摩川は、工場棟(ごみ焼却処理施設、不燃・粗大ごみ処理施設)と管理棟で構成され、平成10年3月に竣工しました。ごみ処理施設の処理能力は450トン/日(150トン炉×3基)で、構成4市の約51万人の家庭から出たごみを処理しています。また、不燃・粗大ごみ処理施設は稲城市・狛江市の2市で構成されています。

▽パンフレットはこちらのページからダウンロードすることができます。

  【クリーンセンター多摩川の全景】


   【配置図(現況図)】
 

 施設の建設規模

事業費

約357億円

建設規模
建築面積
  • 工場棟 約8,150平方メートル
  • 管理棟 約570平方メートル
延床面積
  • 工場棟 約28,900平方メートル
  • 管理棟 約2,480平方メートル
工期

平成6年7月着工~平成10年3月竣工

 

ごみ焼却処理施設の概要

焼却能力

450トン/日(150トン炉×3基)

炉形式

全連続燃焼式(ストーカ炉)

排ガス冷却方式

バグフィルタシステム(減温塔及び集じん機)
触媒脱硝装置、白煙防止装置

発電方式

蒸気タービン方式(最大6,000kw/h)

余熱利用

場内給湯・冷暖房
場外施設への高温水(約130℃)の供給

▽ごみ焼却処理施設の詳細はこちら

 

不燃・粗大ごみ処理施設の概要

処理能力

50トン/5時間

破砕機形式

回転衝撃式

選別種類

鉄類、アルミ、可燃物、不適物

▽不燃・粗大ごみ処理施設の詳細はこちら

 

施設の基本理念

ごみ焼却プラントを運転するにあたっての基本的な考え方は次のとおりです。

徹底した環境保全対策で公害を防止

高度な公害防止設備を採用し、徹底した公害防止を図っています。
特に排ガスに関しては、バグフィルタ・触媒脱硝などによって高度な処理を行っています。

余熱有効活用の推進

ごみ焼却の余熱を効果的に利用して発電を行い、所内の動力源として使用しています。
また、熱エネルギーは所内の冷暖房に利用するほか、高温水を稲城市立病院や健康プラザに供給しています。

高度な自動化システムの採用

燃焼プラントの安全性、操業性および省力化の向上を図るため、ごみクレーンをはじめ、随所に高度な自動化システムを採用しています。
また、施設の中枢となる中央制御室では、焼却プラントの運転や操作など施設全体の監視を行っています。

 

施設の特徴

公害防止設備の充実
  • ばいじん
    ろ過式集じん機により濃度を0.02g/Nm³以下にします。
  • 排ガス
    減温塔及びろ過式集じん機(バグフィルタシステム)により、Hcl(塩化水素)濃度を25ppm以下、SOx(硫黄酸化物)濃度を20ppm以下にします。また、触媒脱硝装置により、NOx(窒素酸化物)濃度を68ppm以下にします。
  • 排水
    汚水処理設備で処理した後、一部再利用します。
  • 臭気
    臭気の発生源であるごみピットやプラットホームからの臭気は、焼却炉へ吸引して熱分解し、無臭化します。また、プラットホーム出入口にエアーカーテンを設置して、施設外に漏れるのを防止します。
  • 騒音
    騒音源となる主要機器は屋内に配置し、消音器や吸音壁により減音します。
ごみ焼却熱エネルギー変換

ごみを焼却する際に発生する熱エネルギーを蒸気にして回収し、蒸気タービン発電機により最大で6,000Kw/hの発電を行い、所内の動力源として使い、余剰電力は電力会社に売電をしています。また、稲城市立病院及び健康プラザには、熱エネルギーを高温水にして供給しています。

ごみの資源化

ごみの中に含まれる鉄やアルミなどは回収して再資源化しています。 また、焼却灰はエコセメントの原料として再利用され、資源の有効活用に貢献しています。

周辺環境との調和

機器はすべて屋内に収納し、外観のデザインも周辺の豊かな自然環境と景観に配慮し、常に安全で清潔な施設づくりを目指しています。